Taliban leader’s call for ‘suicide attacks’ sparks controversy
(WAJ: ターリバーン政権のムジャヒド報道官は、ターリバーン最高指導者の「自爆攻撃の準備をせよ」という発言を「国家のために献身的に貢献せよ」という意味だと骨抜き化、言い換えを図っている。しかし、最近、アフガニスタン、イラン、ロシアで自爆テロを敢行しているイスラミック・ステート・ホーラサーン(IS-K)が、ターリバーン支配下のアフガニスタンで体力を回復しメンバーを増やし、アフガニスタン内でもターリバーンに自爆テロで攻撃してきたのは紛れもない事実でだ。パシュトゥーン部族主義のターリバーンには本来、ISのような宗教的世界制覇の野望はないのではないのか。ムジャヒド報道官によるアフンザダ指導者の発言のソフト化の言い換えは、ターリバーン内部の対立を隠し、自爆テロでターリバーンを攻撃するIS-Kなどイスラーム原理主義、過激主義に自爆テロで対抗せよというアフンザダ指導者の危機感を覆い隠すものではないのか。)
ザビフッラー・ドーランディシュ:アミュTV(アフガニスタンの独立系TVメディア)
2024年4月11日
【アフガニスタン、カーブル発】ターリバーンはイード初日(訳注:ラマダン明けの祭りで、今年は4月10日)に指導者ハイバトゥラー・アフンザダ(Hibatullah Akhundzada)のものとされる演説を放送した。その中で同指導者は「自爆攻撃」を準備せよと改めて呼びかけた。自爆攻撃は、アフガニスタン共和国時代の20年間に軍と民間人の両方に対して広く使われた攻撃手法である。
ターリバーン指導者の発言は物議を醸している。
自爆攻撃はターリバーンが採用した最も血なまぐさい戦術のひとつであり、ターリバーンの国防省は世界でただひとつ自爆攻撃部隊を公式な枠組みの中に取り入れている。
ターリバーンは4月10日水曜日、イードの開始を記念してアフンザダの演説を発表した。
カンダハール州のイードガー・モスクでのイード礼拝に参加した同州の住民2人は、ターリバーン指導者がそこにいて共同礼拝を主導したと証言した。
アフンザダ指導者はスピーチの中で、「いまこそ、これまでと同じように躊躇せず犠牲を払え。後退してはならない」と述べた。
彼は過去の自爆兵たちに、以前と同じように “戦う”準備をせよと促した。”心地よい時でも、過去に経験したごとく決死攻撃せよ “と。
この発言は、ターリバーンの変わらぬ独裁主義と利己主義を反映したものだと、国中の人々が懸念を表明した。
「今、彼は自国民への自爆攻撃を推進している。これはどういう意味なのか?」とカーブルの住民は批判した。
ターリバーンのザビフラ・ムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官は、アフンザダの言葉は誤解されていると主張した。ムジャヒドによれば、指導者の呼びかけは比喩的なもので、過去の決死作戦の時に見せたような強靭さと犠牲を促したものだという。
「そんな意味ではない。指導者の言葉は、以前、国防のために命を犠牲にしたのと同じように、これからも国のために犠牲を払い、より一層努力しなければならないという意味だ」とムジャヒド報道官は説明した。
対立する組織が国防の脅威となり、ターリバーン内部に懸念が高まっている。敵の手法も自爆攻撃だが、もともとアル=カーイダと並んでアフガニスタンで自爆攻撃の先駆けとなったのはターリバーンだ。昨年、内務大臣代行のシラージュッディン・ハッカーニ(Sirajuddin Haqqani)が、「これまでに1500人以上の自爆兵がわが許可の下で攻撃を行った」と自慢したのは伊達ではない。